セミナー「障害者の希望する暮らしとは」

地域支援セミナー

令和6年3月20日(水)に「障害者の希望する暮らしとは」というタイトルでセミナーを実施致しました。今回は対話形式で行い、利用者さん本人に様々な質問をさせて頂きました。施設入所されている保護者の方にも発表をして頂き、保護者としての立場から話をして頂きました。

1人暮らしをしながら一般就労

普通小・中学校の特別支援学級に所属し、特別支援学校の高等部に進学。高等部の現場実習で行った職場に内定し、卒業後はグループホームを利用しながら通勤する。20歳になり、障害基礎年金2級を受給開始。その後、職場も定着し、アパートへの移行を希望。1人暮らしに向けて練習しながら、令和3年7月より職場に近いアパートに移る。

ご本人に聞いた内容として、現在はどのような生活をしているのか、なぜ、グループホームから出て1人暮らしを希望したのか、どのくらいの時期に1人暮らしの練習をしたのか、金銭管理はどのようにしているのか等を聞きました。

障害者就業・生活支援センターなかまを利用しており、第4日曜日に確認に来てもらっているそうです。グループホームに入居していた頃は他利用者との喧嘩が嫌だったようであり、1人暮らしを目指しました。1人暮らしの練習は、グループホームに入居していた頃。世話人さんの手伝いをしながら料理を覚えていき、朝食を自分で作るようになったそうです。年金とボーナスはなかま職員が通帳で管理してくれ、普段の給料は自分の通帳で管理しているそうです。

その他にも様々な質問をさせて頂き、一つ一つ丁寧に答えてくれました。1人暮らしをしながら一般就労を続けていますが、仕事は楽しいそうです。

定年退職を機に、1人暮らしからグループホームへ

中学生の頃に知的障害児施設に入所。卒業後は成人施設へ移行する。28歳の一般就労を機に、通勤寮で生活をする。当時3年程勤務するも、会社都合により退社。その後、32歳の時に一般就労し、60歳の定年まで勤務する。住まいの場は通勤寮からアパートにて独居生活を送ってきた。定年退職を迎えるにあたり、家族としては老後を見据えて安心できる生活環境で過ごしてもらいたい。本人も生活のお手伝いをしてもらいたい気持ちがある。その為、グループホームでの体験を重ね、令和5年1月にグループホームへ入居した。

ご本人に聞いた内容としては、グループホームで暮らし始めて良かったこと、自分の役割、1人暮らしで良かったこと・辛かったこと、仕事はどんなところが良かったのか、グループホームで頑張ろうと思ったきっかけは何だったのか等を聞きました。

グループホームでお祭りしたり、外出することが楽しいそうです。誕生日ケーキを作ってみんなでお茶をしています。自分の役割としては、お部屋をきれいにすること。昼間はさをり織りの仕事をしています。ゆっくり1人でご飯を食べたいと思うこともあるが、1人で寂しかったそうです。仕事はみんなが応援してくれたから、最後まで頑張れました。家族から1人じゃ心配だと言われ、ちょっとずつお泊りして職員さんや利用者さんと仲良くなっていったそうです。

緊張して上手く話ができない場面もありましたが、ご本人の言葉で答えてくれる質問もありました。今後もグループホームで楽しく生活していきたいそうです。

家族と自宅生活を続け、現在は自宅で1人暮らし

7人兄弟の3男として出生し、市内の小学校・中学校を卒業後に就職。しかし、右手の負傷により平成11年退職。しばらく仕事をせずに過ごしていたが、平成18年にスーパーで就職。平成24年3月、スーパーが他市に移転することに伴い解雇。父が他界し、姉妹が結婚で出て行ったあとは長兄と母の3人で暮らしていた。母は病気悪化で入院し、その後老人ホームへ入所。兄弟だけで暮らし始めた。スーパー解雇後は求職活動するものの生活困窮となり、平成24年5月に兄と共に生活保護申請する。市の担当者より障害者就業・生活支援センターなかまに相談があり、支援を受けるようになった。その後も工場入退社あり。平成27年に就職する。現在は兄もグループホームに出て1人暮らしとなる。生活保護も切り、自宅にて給料のみで1人暮らししている。
ご本人に聞いたことは、現在の生活について、今の生活で不便なところ、家事はどのようにしているか、お金の管理ややりくりについて、困った時の相談相手について等を聞きました。
職場で働きながら、1人暮らしをしています。今はスマホを持ちたいそうで、なかまの職員と相談しています。家事は全部自分でやってます。なかまでお金の管理をしてもらっており、毎週日曜日に生活費を届けてもらっています。会社では上司に相談していますが、なかまにも相談しているそうです。
対話形式で行いましたが、様々なことをハッキリ答えてくれました。疲れて仕事を休んでしまうこともあるそうですが、頑張って仕事をしているそうです。

家族が伴走者として本人を支える

市内の小学校を卒業後、特別支援学校の中学部・高等部へ進学する。高等部3年の時に、違う特別支援学校へ転入。平成22年に特別支援学校を卒業し、その年の11月に施設入所する。施設とのやりとりを重ねながら、現在も施設入所を続けている。

施設入所している保護者として、今までどのように育ててきたのか、家族として一丸となって頑張ってきたこと、施設入所を決めたきっかけ等について、資料を用いて説明してくれました。

何の知識もないままご本人の病気のことを知らされ、悩みや葛藤の中で覚悟を決めたそうです。ご本人のことを一番に理解し、伴走者として家族で支えました。施設入所を決めるまでには、様々な施設を見学したそうです。ご本人はお風呂が大好きということで、お風呂が毎日入れることが決め手になったようです。現在は施設とやりとりしながら、楽しく施設で過ごせるように、施設が伴走者となってくれるように願っているそうです。

保護者の立場として話をして頂きましたが、会場では感動して涙を流している方もいらっしゃいました。それぞれの保護者に共通できる内容でした。

今回は発表後に、介護者交流も行いました。発表者も介護者交流に参加して頂き、様々な意見を聞くことができました。

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